【観劇初心者必見】ハズレのつまらない芝居を避ける3つのポイント

こんにちは、小佐部です。

突然ですが、あなたは舞台を観にいきますか?

もしくは舞台を観に行くことに興味がありますか?

私は全く興味がありませんでした。

 

多くの人がそうであるように、

私も舞台(演劇)を観に行くことにあまり興味がありませんでした。

その理由はおそらくあなたを含めた多くの人と同じだと思うのですが、

・そもそもどこでやっているのかわからない。

・いざ観に行った舞台がそんなに面白くなかった。

 

舞台に興味がないと言っているほとんどの人が、恐らくこのいずれかででしょう。

それでも私が札幌で演劇を見続けてきた理由は、

単純に自分が演劇をやっていたからです。

勉強のため……人付き合いのため……

恐らく今まで札幌で観てきた数は300作品を超えると思います。

そして、それだけの作品を観てきてわかったことがあります。

確かに面白くない作品は多い……

 

だけど……

本当に面白い舞台は、

映画を遥かに超えて面白い。

ということです。

最高の舞台を体験すると、

「今まで生きてきてよかった」と思えるほどです。

この舞台の面白さをいろんな人と共有したい。

そう思って今このメッセージを書いています。

しかし、舞台のオススメするにはどうしても大きな壁があります。

それは、確かに「面白い舞台は映画を遥かに超えて面白い」のですが、

映画よりもハズレる可能性が高いことです。

私も何度これで苦い思いをしたのかわかりません。

でも、それでもあなたと最高の舞台を体験した時の、あの感動を共有したいのです。

だから、ぜひ劇場に行ってほしいのです。

でも、ハズレの舞台を観てしまって、舞台を嫌いにはなってほしくはありません。

そこで今回は、できるだけハズレる可能性を低くするために、

今まで300作品以上を観てきた私が、観に行く作品選びのコツを教えます。

これをある程度の目安にすると、​ハズレる可能性は低くなるのではないかと思います。

 

 

1.チラシのクオリティの低いところは避けろ

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私の体感ですが、最も大きなポイントはここです。

チラシのクオリティと作品のクオリティは、

やはり連動していることが多いです。

​特に、チラシのクオリティがみるからに低いところは

避けた方がいいでしょう。

また、チラシにはたいてい「あらすじ文」など、

作品の内容が書かれていることが多いのですが、

その内容があまりにも抽象的な場合

脚本の中身がほとんど決まっていないような場合もありますので、

​注意が必要です。

 

 

2.実力のある俳優が出演しているかどうか

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実力のある俳優が出演しているだけで、

それだけで見ごたえのある舞台になります。

また、そのような俳優をそろえているということで、

制作者の本気度も伝わってきます。

ただし、この方法のデメリットは、

あまり劇場に行ったことのない人は、

​誰が実力のある俳優なのかよくわからない点です。

 

 

3.どうしても外したくない場合は、過去に上演されたことがある作品を観に行け!

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どうしてもはずしたくない場合は、

過去に上演されたことのある作品を観に行くことです。

少なくとも、評判の悪かった作品をもう一度上演するということは、

考えづらいでしょう。

評価が高かったからこそ、もう一度上演するのです。

札幌では、過去に上演され評価の高かった作品をもう一度上演する札幌演劇シーズンというイベントがあります。

もし札幌に住んでいて、舞台を観てみたい人は札幌演劇シーズンの演目をみてみるとよいでしょう。

ただし、開催時期は1~2月、7~8月なのでこの時期でなければ観に行くことができません。

 

これと同じ考え方で、以前東京などでプロの作家が書いた脚本が、次は札幌で上演されるというような場合も、ハズレる可能性は低いと思われます。

 

もちろん新作の上演で面白いものはたくさんあります。しかしどうしても外したくない場合はこのポイントを抑えるといいでしょう。

 

 

以上3点が、ハズレをひきにくくするポイントです。

(1)チラシのクオリティの低いところは避けろ
(2)実力のある俳優が出演しているかどうか
(3)どうしても外したくない場合は、過去に上演されたことがある作品を観に行け!

ぜひこの3点をチェックしつつ観劇をお楽しみください。

 

 

それでもまだ不安……ハズレるのが怖い……

 

その気持ちは非常によくわかります。

 

お金払って、時間を使って、わざわざ劇場まで足を運ぶわけですから

ハズレたときのショックは大きいですよね。

私も、それで舞台を嫌いなってもらっては、非常に残念です。

そこで、

札幌で300作品以上みてきた私からみて、

​ハズレる可能性が非常に低そうな舞台を紹介します。

なぜこの作品をオススメするかというと、

さきほどの条件を全てクリアしているからです。

本当にそうなのか?

それでは今回紹介する作品について、さきほどの内容をひとつひとつ検証していきましょう。

【チラシはプロのクオリティ】

まずは、「(1)チラシのクオリティの低いところは避けろ」です。

チラシを見るに、わざわざスタジオや小道具を借りて、俳優全員を集めて撮影された写真も使われていますし、

チラシのレイアウトもプロの仕事に見えるので、この点は心配ありません。

【俳優賞をとった俳優さんも出演】

次に「(2)実力のある俳優が出演しているかどうか」です。

チラシに並んでいる俳優のメンバーを見てみると、札幌でかなり活躍している俳優さんばかりです。

俳優賞をとった俳優さんの名前も並んでいるので、この点も心配はないでしょう。
 

紫綬褒章を受章した脚本家

最後に、「(3)どうしても外したくない場合は、過去に上演されたことがある作品を観に行け!」です。

ここが最もポイントの高いところなのですが、

この脚本は、演劇界では超有名なケラリーノ・サンドロヴィッチさんが関わっています。

岸田國士戯曲賞読売演劇大賞最優秀演出家賞、最近では紫綬褒章まで受賞されたものすごい方です。

調べてみるとこの作品は、2006年に初演され、堺雅人さんや八嶋智人さんなどが出演し、

パルコ劇場で3週間にわたって上演されたようです。

このときの公演のチケットは8000円だったようです。さすがに豪華なメンバーだけあって高い…!

というわけで、どの要素とってみても、かなり期待度の高い公演です。

僕も必ず観に行こうと思って、今から楽しみにしています。

​その公演がこちらです。

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4月に札幌・琴似で上演される『噂の男』という作品です。

私も今から観に行くのをかなり楽しみにしています。

なんなら、今のところ今年一番期待している公演です。

しかも、これもオススメする大きな理由なのですが、

チケット料金がかなり攻めてます。

さっきも書いた通り、東京で上演されたときはチケット価格は8000円だったようなのですが、

 

今回の公演、2500円らしいです。

もう一度書きます。2500円です。

なぜこのメンバーで、そこそこ広い会場で、こんな安い値段でやっているのかはわかりません。

 

とにかく多くの人に見てもらおうと考えてこの価格に設定したのでしょうか?

しかし、どこをとってもハズレる心配要素はかなり少ないので、

安いからといって心配になる必要はないと思います。

はっきりいってもっと高い値段でも観に行こうと思っていますが、

ここはありがたく2500円で観させてもらおうと思っています。

ちなみに、学生だとさらに1000円割り引いてくれるようです。

採算合うんでしょうかね……?

というわけで本当に面白い舞台を観に行きたい人は、この作品を観に行くといいと思います。

ちなみに、下品な要素もあるようなので、

​上品でおしとやかな作品しか受け付けない人にはオススメしません。

笑いの要素はかなり多めのようです。

公演期間は2019年4月18日(木)~20日(土)で、平日お昼の回もあるようです。​

会場は、JR琴似駅直結の、コンカリーニョという会場です。

 

この値段でこのメンバーならチケットかなり売れるんじゃないかと思うので、

​満席になる前にご予約をどうぞ。

 

チケット予約はこちらからどうぞ!

www.quartet-online.net

 

 

 

それでは、よい観劇体験を!

 

 

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信山プロデュース※3『噂の男』 脚本:福島三郎   潤色:ケラリーノ・サンドロヴィッチ  演出:井上悠介(きっとろんどん)

 演芸場の裏。普段は上演前の芸人の控室として使用されており、小道具などが雑多に積まれている。昔、ここのボイラーが爆発する事故があり、人気絶頂だった漫才師が犠牲となった。あれから12年がたった夏、一人のボイラー技士が定期点検にやってきた。予測不可能なサスペンス・コメディ。いやーな男たちの、いやーなお話。

*出演*
能登英輔(yhs) 村上義典 深浦佑太(プラズマダイバーズ) 遠藤洋平 国門紋朱(ミュージカルユニットもえぎ色) 有田哲(クラアク芸術堂) 信山E紘希

​*日時*
2019年4月

18日(木)19:30 19日(金)15:00/19:30 20日(土)13:00/17:00 ※開場時間は開演時間の30分前です。※上演時間は120分を予定しております。


*会場*
生活支援型文化施設コンカリーニョ(札幌市西区八軒1条西1丁目ザ・タワープレイス1F<JR琴似駅直結>)

​*料金*
一般2,500円 学生1,500円

照明:手嶋浩二郎(劇団しろちゃん) 照明補佐:秋野良太(祇王舎) 音響:高橋智信   舞台:上田知   方言指導:カネタミユ 制作:信山プロデュース 制作補佐:野沢麻未 小川しおり(劇団fireworks) 宣伝美術・プロモーション協力:小島達子(tatt) 小道具:蝦名紗友水(ミュージカルユニットもえぎ色) 協力:山木眞綾 佐藤智子 丹野早紀 channel-E 主催:信山プロデュース クラアク芸術堂企画運営委員会 後援:札幌市 札幌市教育委員会

【特別講座6】正当化する

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こんにちは、こさべです。

今日は特別講義の最終回です。

 

今回は「正当化」について書いていきます。

 

なかなか大事な内容なので、

きちんと覚えていきましょう。

 

 

さて、

 

例えば、登場人物が「足が折れている」という設定だとします。

 

 

脚本に「足が折れている」と書かれているので、

あなたは足が折れているっぽく演じるかもしれません。

 

しかし、それだけで十分でしょうか?

 

いまひとつ、自分でもリアリティを感じることができないかもしれません。

 

 

 

では、

 

ここで、あなたの足が折れていることを想像してみましょう。

 

 

もしあなたの足が折れているのなら、足が折れた原因がありますよね?

階段で転んだ、とか、車にはねられた、とかですね。

 

あなたはそのことについてどう思ったのでしょう?

 

周りの人の反応は?

 

そのケガは自分のせいでしょうか?

 

もしあなたが本当に足が折れているのなら、

おそらくこれらの問いは答えられると思います。

 

 

 

役を演じるときも同じです。

 

「足が折れている」ということが現実的に感じられますし、

「足が折れている」ことに対して自分がどのような態度をとるのかもわかってきます。

 

 

もうひとつ例を出します。

 

たとえば、あるシーンの稽古中、

演出家に「ここで3歩歩いてくれ」と言われたします。

あなたは言われた通り3歩歩きます。

 

そして本番、観客は「あの人はなんで3歩歩いたんだろう?」と疑問に思いました。

 

もしあなたがそのような質問をされたら、

あなたは「演出家に3歩歩けと言われたから3歩歩いたんだ」と答えますか?

 

 

これはやはり、俳優が自分で考えなければいけません。

 

 

 

つまり、「正当化する」ということです。

 

 

 

何か行動をするときに、

そのことについて「正当化」してほしいです。

 

ただ指示された通り動く俳優のなのか、

全て行動に説得力を感じられる俳優なのか、

 

おそらくあなたがならいたいのは後者でしょう。

 

 

初めは面倒に感じるかもしれませんが、

ぜひすべてを正当化するクセをつけてみてください。

 

 

一番下の動画では、もう少し細かい内容を話しています。ぜひご覧ください。

 

 

 

 

さて、以上で今回の特別講座は終わりです。

動画では課題などもありますので、ぜひ実践してみてください。

 

 

 

……と言って実践する人は10人に1人だそうです。

 

 

 

 

もう少しいうと、

 

「こんな役に立つ情報があるよ」というのを目にした人が100人いたとすれば、

実際にそこにアクセスする人は、そのうち10人だそうです。

 

 

そして、その情報を手に入れて、

「なるほど勉強になるなー」とは思ったけれど、

実際に行動に移す人は、10人に1人です。

 

 

つまり、最初に情報があることを知ったのが100人だとすれば、

それを行動に移す人は1人しかいないのです。

 

 

残りの99人は、結局は「なにもしない」ということです。

 

 

なので、ぜひあなたは100人のうちの1人になってください。

逆に言えば、行動に移せば、ほかの99人を出し抜けるとも言えます。

 

 

 

ですが、

 

 

そうは言ってもなかなか実践に移せる環境にない人もいるかと思います。

家で大声を出せないとか、一緒にやる人がいないとか……

 

もしすでにできる環境がある場合はすぐに行動に移してみてください。

 

 

もし環境がない場合は、私が用意してある環境を利用してみてください。

 

 

私は「ゆりいか演劇塾」というワークショップを行っているのですが、

そこで、ほかの仲間たちと一緒に、演技の役にたつことを実践しています。

 

 

一人で家でできる人はそれに越したことはありませんが、

実はモチベーションを保つということはものすごく大変なことです。

 

 

「この時間にこの場所に来て、ほかの人たちと実践する」

という場があると、一人でやっているよりも

かなりモチベーションを維持しやすいです。

 

 

〆切は3月25日と迫っているのですが、

まだ定員には空きがありますので、ぜひご応募ください。

 

 

初心者は日曜日のクラス、経験者は土曜日のクラスがオススメです。

 

 

ゆりいか演劇塾の詳しい募集内容はこちら。

https://www.clark-artcompany.com/eurekaindex

 

 

 

それでは、あなたがよりより俳優になるのを応援しています。

今回も最後までありがとうございました。

 

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【特別講座5】コミュニケーションとは?

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こんにちは、こさべです。

今日は「コミュニケーション」について書いています。

 

舞台上でコミュニケーションをとるってなかなか難しいですよね?

 

 

しかし一方で、私達は日常生活では他人とコミュニケーションをとることができます。

 

 

なので、その日常生活でのコミュニケーションはどうような手順で行われているのかを知ることで、舞台上でもコミュニケーションをとることができるようになります。

 

 

では、私たちは、どのような手順でコミュニケーションをとっているのでしょうか?

 

コミュニケーションは以下の手順で行われています。

(1)「誰と」コミュニケーションをとるか決める

(2)相手の「注意をひく」

(3)相手の「状態」を認識する

(4)一番最適な「手段」で伝える

(5)しめくくる

 

 

初心者にありがちなのが、セリフを「誰に」話しているのかよくわからないという状態です。

 

セリフを言うことに精一杯で、そのセリフを誰に向かっていっているのかを理解できていないのです。

 

なので初心者はまず、このセリフを誰に言っているのかな、と考えてみてほしいです。

 

 

演劇を長くやっている人でもなかなか難しいのが、

相手の「状態」を認識する、ということです。

 

相手がどんな状態であっても、まったく同じようにセリフを言ったり動いたりしてしまいます。

これは相手の状態を認識していないためです。

 

相手の状態によって微妙にコミュニケーヨションのとり方は変わってくるはずですよね。

 

このように、コミュニケーションの手順をきちんとふめているのかを確認することによって、今この手順を飛ばしてしまったな、などを常に点検してみてほしいです。

 

 

みなさんもぜひ、自分が演技しているときに、点検してみてください。

 

今日のお話はここまでです。

今回も最後までありがとうございました。

 

こさべ

 

※動画では、このほか、演技の上で重要な「適応」について話しています。詳しくは動画をどうぞ。

www.youtube.com

 

 

 

【特別講座4】状況を知るために

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こんにちは、こさべです。

今日は「状況」について書いていきます。

 

特にここでは「サブテキスト」について書いていきます。

(「サブテクスト」ともいいます)

 

 

サブテキストというのは二つに分かれます。

それは「内面のモノローグ」と「内的イメージ」です。

 

内面のモノローグというのは、

頭の中で考えている独り言のことです。

 

つまり、内面のモノローグは「言葉」です。

 

例えば嫌な上司に飲みに誘われたとき、

口では「いいっすね!」と言いながらも、

心の中では「行きたくねえなぁ……」と思っていることありますよね?

 

台本を読んでいて、セリフの表面上しかみることができないと、

「なぜこの人は上司が嫌いなのに、いいっすね!なんて言うんだろう?」

ということがわからなかったりします。

 

口ではこう言っているけどれど、本当のところはどう思っているんだろう?

 

 

それが「内面のモノローグ」です。

 

 

 

そして、「サブテキスト」のもうひとつですが、

それは「内的イメージ」です。

 

これは「言葉」ではなく「イメージ」です。

 

 

たとえば、「今度、私の家に来る?」という時、

日常生活では、おそらくあなたの頭の中には、「あなたの家」がイメージされているはずです。

 

相手に「どんな家なの?」と聞かれて、

「リビングでにはテレビがあって、ちょっと高めのソファがあって……」

と説明するとき、やはりあなたの頭の中には、そのテレビやソファがイメージされているはずです。

 

 

これが「内的イメージ」です。

 

これをきちんとイメージしておくことで、

自分の話している内容がかなり具体的になっていきます。

 

 

自分の頭に浮かんでいる「言葉」、そして「イメージ」。

これを考えることが、状況を具体的にするのに大いに役立ちます。

 

今日の話はここまでです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

こさべ

 

※動画では、サブテキストのほか、「劇の始まる前」についても触れています。詳しくは動画をご覧ください。

 

www.youtube.com

 

【特別講座3】日常を点検する

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こんにちは、こさべです。

 

今回は「日常を点検する」ということについて話します。

 

スタニスラフスキーは、

まず日常で無意識に行っていることを点検し、

舞台上でもできるようになることが大事だと言います。

 

私たちの行動の90%は無意識で、

それゆえに一度、自分の行動を点検してみる必要があります。

 

 

では、たとえば、「皿を洗う」という行動を考えてみましょう。

 

「皿を洗う」には、具体的にどのような行動が必要でしょうか?

 

今、考えてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・

 

 

 

 

考えましたか。だいたい以下の通りでしょうか?

 

ゴム手袋をつける
蛇口をひねる
スポンジを濡らす
洗剤をつける
皿を洗う
皿を水ですすぐ
水を払う
皿を置く
スポンジを洗う
ゴム手袋を洗う
ゴム手袋を乾かす

 

 

ゴム手袋を使うかどうかなど、

人によって多少の違いはあるでしょうが、

おおよそこのようになったかと思います。

 

 

このように、行動には、その行動それ自体の論理があるものがあります。

 

たとえば、皿を洗い終わってからゴム手袋をつけるのは変ですよね?

 

こういうことは、ある程度順番と必要な行動が決まっているものです。

 

 

そして、ここが大事なことですが、

登場人物がどのような状態であろうと、

同じ順番で行わなければなりません。

 

「今日は気分がいいから水で洗った後に洗剤をつける」とか、

「今日はむかつくから皿を洗った後にゴム手袋をつける」ということはあり得ないですよね?

 

 

つまり、行動をおこなう時は、

 

「なにを」するのか、

 

と、

 

「いかに」するのか、

 

を分けて考えなければいけません。

 

 

例えば落ち込んでいるときに皿を洗うと、

行動の順序は変わりませんが、

動きのスピードが遅くなることはありますよね?

 

この「スピードが遅くなる」というのが、「いかに」するのかという問題です。

 

 

まず「なにを」するのかを知ってから、次は「いかに」行うかを考える。

 

という順序で考えるのが大事になります。

 

もし台本のト書きに「皿を洗う」が出てきた場合、

このような順序で考えれば難しいことなく演技をすることができると思います。

 

 

今回まで最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

こさべ

 

 

※動画では「皿を洗う」以外の例題も扱っています。詳しい内容は動画をご覧ください。

 

www.youtube.com

 

 

 

【特別講座2】演技とはなにか?

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こんにちは、こさべです。

 

今日は「演技とはなにか?」について書いていきます。

 

 

それを考える前に、「芸術」について考えましょう。

 

 

例えば、あなたの日常に何かが起こって、あなたが何かを感じたとしましょう。

 

これ自体は芸術ではありません。

ただの体験です。

 

では、その体験や、そこから感じたことなどを他人と共有しようとしたとしましょう。

 

「私は、こんな体験をしてこんなことを感じたのだけど、みなさんはどう思う?」

ということを話したりして、他人と共有しようとする。

 

 

実は、これが「芸術の始まり」と言われています。

 

 

例えば風景画を描く人は、その風景になにかを感じて描いていますよね?

それを展示するという行為は、

「私はこの風景がいいと思うけど、あなたはどう思う?」

と共有しようとする行為だと言えます。

 

 

そういう意味で、体験を共有しようとするという意味では

体験を語ることとは通じるものがあるわけです。

 

 

さて、ではあなたが体験した話をきいたAさんが、

友達のBさんにその話をしたとします。

体の動きなんかをつけながら

「これは聞いた話なんだけど、こんなことがあってね……」

などとBさんに語ります。

 


実はこれが「演技の始まり」です。

 

あなたもきっと日常でやった経験があるんじゃないでしょうか。

つまり、自分が直接体験したわけでもない話を、身体や声を使って表現する。

 

これが演技の始まりです。

 

もしあなたの話し方が上手で、あなたの話をきいている人が、

その場に居合わせているかのような感覚になったとしたら、

あなたはもう俳優といえるかもしれません。 

 

 

さて、演技というのは「創作」された行為ですよね。

一見、実生活のように見える脚本でも、

それはやはり実生活で使われているような行為や言葉の組み合わせでできたものです。

 

 

ただの実生活を見せて金をとるわけにはいかないですよね。

 

なので、きちんと観客が加わっていけるような作品をつくらなければいけません。

 

ただの「ありのままの私」だけではダメで、

それと同じレベルに見える舞台上でのリアリティをつくらなければいけません。

それが「劇的な私」です。

 

 

では、どうすれば「ありのままの私」を「劇的な私」にできるのか?

 

それを考えたのがロシアの演出家、スタニスラフスキーです。

 

 

彼はスタニスラフスキーシステムを構築していきました。

このシステムを使うと、俳優自身の能力を最大限発揮し、能力を管理することができるようになる、と彼は言います。

 

それはどんなシステムなのか?

 

システムの大きな考え方は以下の2つです。

 

・それは「どんな状況」か?

・その状況だとして「身体的にどうしたい」か?

 

この2つを徹底的に考えていきます。

 

 

その具体的な内容は……次回から書いていきます。

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

こさべ

 

 

※動画ではさらにスタニスラフスキーの経歴などについても触れています。詳しい内容は動画をご覧ください。

www.youtube.com

 

【特別講座1】俳優の仕事とは?

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演技について書いていきます。

 

突然ですが、「俳優の仕事」とはなんでしょうか?

 

色々な答えが出てくるかと思いますが、

ひとまずは「他人を演じること」としましょう。

 

まず、作品に登場する人物が「100%自分自身」ということはほとんどあり得ないでしょう。

なので、俳優は、自分とは違う人間を演じなければいけません。

 

しかしこのように言うと、

「俳優の仕事は100%他人になることだ」と考える人もいると思います。

 

しかし、ロシアの演出家、スタニスラフスキーは、このように信じる人がいれば、それは病気だから精神科の世話になった方がいい、と言い放ちます。

 

私たちは、100%他人になることなどできません。

それは例えば、あなたが食べているものを、私が味わうことができないの同じです。

 

私たちは、自分の身体があって、自分の声があります。

また、舞台上でなにかを感じたり判断するとき、

それはまさしく舞台上にいる自分自身が味わっていることです。

 

つまり、どこまでいっても、

私たちは結局、自分自身です。

 

 

しかし、ここで問題が起こります。

 

自分自身なのだとしたら、

どうやって他人を演じるのでしょうか?

 

 

スタニスラフスキーは、

優れた俳優は、完全な人間に近く振る舞うものだ、と言います。

 

つまりそれは、私たちは生活で行っている行動やプロセスを、

そのまま舞台上でも行うことができるということです。

 

私たちは日常生活でどのように振る舞っているのか?

 

それを学んで役の創造にあたるということです。

 

役の人物の行動が、

私たちの生活と通じるようになったら、

その役は「人間」になった、と言えるのです。

 

 

「私たちは、日常でどのような行動をとるのか?」

 

 

しかし疑問に思う人もいると思います。

 

「私たちの日常のことなら、私たちはすでに知っているはずです。なぜ、いちいち学ぶ必要があるんですか?」

 

これはもっともな質問にきこえます。

 

しかし、スタニスラフスキーは、

「私たちの行動の90%は無意識だ」と言います。

 

例えば、あなたは歩くとき、

「まず右足を出して、次に左足を出して、そのつぎは右足を……」

と頭で考えないですよね。

 

このように、人間は全ての行動を意識しているわけではなく、

それどころか、行動の10%しか意識していないことになります。

 

この無意識の行動に一度目を向けてみて、

私たちは普段なにをしているのか、

それを一度確認することで、舞台上でもその行動を行えるようになるのです。

 

舞台上でなにか行動をする前に、

まず日常ではどのように行動するのだろうと考えてみてください。

 

こさべ

 

 

※動画ではさらに「有機的行動」などについて触れています。詳しい内容は動画をご覧ください。

 

www.youtube.com